【オープンリレーションシップ】彼との馴れ初め⑧【彼と私の話】
キスしたくなかったわけじゃない。
彼のことは当時は友だちとして人として大好きだったし、彼氏として考えられないタイプでもなかった。
当時夫とはお互いにオープンリレーションシップに合意していて、ここで彼とキスすることで不倫等の問題になることはなかった。
じゃあなぜ避けたのか。
それはただ単に心の準備ができてなかったから。
オープンリレーションシップをやりたいとは言ったものの、突然やってきた機会に驚いて戸惑ってしまった。
さらには、夫とは付き合ってからもう長くてキスもセックスも夫とのやり方に慣れてしまっていて、今更新しい人とはどうすればいいのかわからない気がした。
その日はそのまま添い寝したり普通に話したりしただけで終わって解散した。
彼は気を悪くした様子もなく、後日また普段通りに連絡してきた。
1週間他愛もない話でチャットし合い、また土曜日がやってきた。
私と彼がほぼ毎週ムービーナイトを実施してる日。
先週あんなことがあったにも関わらず
彼「今日も来るでしょ?」
私「うん、ビールとポップコーン買ってくね」
安易に会うことを決めた私たち。
1週間の間彼と会話はしてたけど、オープンリレーションシップについてはそんなに考えてなかった。
気まぐれな彼が次会った時にどう接してくるかわからなかったし、どっちに転んでも悪くはないと思っていたから。
前回は心の準備ができてなかったけど、1回離れて落ち着いたから今度は大丈夫かもと思ってたし。
そしていつも通り始まったムービーナイト。
この日のファーストチョイスはコロンビアのホラー映画だった。
選んだのは彼。
ホラー映画で距離を近付けようという作戦だったのかもしれないけど、全然面白くなくて前半15分頃、全く怖くなる前にやめてしまった。
次に選んだ映画はアメリカのコメディー。
割と面白かったけど私と彼はいい雰囲気になることはなく、普通に笑いながら雑談しながら最後まで見切った。
映画一本見終わってもまだ時間は遅くないしお酒も残ってたし、もう1本見ようかどうしようかって時に彼が酔ったから横になろうと言ってきた。
快諾。
日本にはソフレなる概念があるけれど、私は彼の横で添い寝するのも居心地が良くて好きだった。
オープンリレーションシップじゃなくて、彼とならソフレでも満足できると思った。
夫もその方が安心だろうし。
もちろんそんなこと考えてたのは日本人の私だけで、彼にしてみたら今度こそはイケると思ったんだろうな。
彼に背を向けるように横になっていた私を後ろからつついてきたり、私の肩をゆすって
彼「もう寝た?寝ないで面白い話しよう」
とやたらとちょっかいだしてきて可愛かった。
寝た寝てないの攻防をしているうちに彼の体が私の背中に密着してくるのを感じた。
そして次の瞬間後ろから強く抱きしめられた。
つづく。