【オープンリレーションシップ】彼との馴れ初め⑦【彼と私の話】
相変わらず宅飲みを続けていた私たち。
回を重ねるごとに心も体も距離が近づいているのがわかった。
この頃夫とのオープンリレーションシップは始まっていたし直接的な言葉にはしないものの彼からの好意にも気が付いていたけれど、私は大好きな親友を失うことが怖くて彼との関係を進めることに躊躇していた。
お酒を飲みながら話していると、彼のことを人として好きなのか友だちとして好きなのかそれとも男として好きなのかがわからなくなった。
でもとにかく好き。
彼と過ごす時間はいつもすごく楽しかった。
彼「飲みすぎちゃった、少し横になって休も。Juneもこっち来て」
ある夜彼がそう言って彼の家の大きなソファに横になった。
彼の家にはソファベッドではないけれど大人2人が横に慣れるサイズのL字ソファがある。
私は彼の言葉を文字通りに受け取って、彼と向かい合うように横になった。
近い。
彼の鼻が私の鼻から30センチ先にあった。
普段こんな距離で話すことなんてないからドキっとして少し酔いが冷めた。
薄暗い部屋の中に沈黙が流れる。
しばらくすると彼が沈黙をやぶり、この緊張を解くように他愛もない話をし始めた。
これをきっかけに私たちはまだ普段通りの楽しい会話をし始めた。
彼「ところでさ、日本では友達同士はキスしないの?」
いたずらっぽい笑顔で彼がそんなことを言い出した。
彼「僕の国ではね、こうするんだよ」
そう言って顔を近づけて来た。
彼は日本で挨拶の時にキスする文化がないことは知ってる。
彼の国では確かに挨拶のキス文化があるけれど、ここで彼が私にしようとしてるのは確実に唇へのキス。
これは挨拶で誰にでもするキスじゃない。
私「日本ではキスもハグもしなくて、代わりにお辞儀するんだよ」
ギリギリのところで彼からのキスをかわした。
笑顔で。
彼「あ~お辞儀するのか~、僕の国と全然違うね」
私がキスをかわしたことは何ともなかったようにニコニコしながら答えてくれた。
空気が悪くなるかと心配したけれど彼が笑顔だったことにホッとした。
つづく。